アンソニア ホールクロック2

先週からの続きです

ゼンマイを針金に収める

ゼンマイを巻けるようにはなりましたがゼンマイが開放状態では組み込むことができません
ある程度丸まった状態に収めなければいけません
基準となる丸い輪っかが必要です
針金で作るのですが何か手ごろな大きさの丸いもの…

綿棒の入れ物がありました、きれいな丸が出来上がります

こうやって解放されたゼンマイを輪の中に収めていきます

一週間巻きは楽に入ります
60日巻きもまあ大変ですが入ります
ところがこのゼンマイ、巨大な振り子を動かすためにゼンマイのトルクが強烈です
触った瞬間にわかるかつてないゼンマイの厚み
クロックのゼンマイ入れ、ここまで苦戦したのは初めてでした

仮組・ザラ検査

仮組してザラ検査に入ります

不安だった歯車の補修も問題なさそうです
アンクルのドロップ量の確認も忘れてはいけません

ペラの補修

次の補修箇所
振り竿のペラの補修です、完全に切れています

ペラバネ補修部品から、長さを合わせてカットします
焼き入れした鋼材なのでドリルの歯は立ちにくいです
穴をあける時はセンターポンチを使って抜きます

長さもよさそうですね
穴の形にリベットを整形してカシメます
出来上がりの写真がありません

数取り調整レバー

この時計の打ち数制御は数取り式です
時間合わせなどで一度狂うと合わせるのが大変なので数取り調整レバーを取り付けます
大げさに聞こえますがカマに針金を一本巻きつけるだけです
いつも通り写真はないのですが…

当店で数取り式のクロックを修理する場合はもれなく取り付けさせていただいています
自分でランニングテストする時にも、お客様が自分で時間を合わせる場合にもあった方が便利だからです
オリジナルの不便さを求める場合、取り外すときも針金一本切るだけでとっても簡単、オリジナルの復元性もバッチリ

本体に組み込んでランニングテストして修理完了です

設置についての注意点

今回の修理品はお客様自身で時計を持ち帰って設置していただきました
床に置くものですのでどうしても床の歪みなどで傾きが生じ、当店で行ったランニングテストとは結果が異なることがあります
今回もやはりそうなったので設置場所までお邪魔させていただき再調整しました
掛時計ですとケースの傾きは自分で手軽に調整できるのですがホールクロックなどの場合ケースの傾きを水平に調整できない分はアンクルの軸か振り竿の曲がりで調整します(機械の種類によります)
ホールクロックは取り付けまで必要になるところが難しいところですね

多くの方の目に触れる大時計、長年の時を刻んできたことと思います
今がいったい何歳なのか分かりませんが完全に役目を終える頃には100歳は超えているでしょう
何人の修理者が関わっていくのか分かりませんがそのうちの1人になれた事は嬉しいですね
時を知らせる仕事、まだまだ頑張って欲しいですね