ROLEX ビッグ・バブルバックの分解掃除

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

続いていますがまたもバブルバックネタです。
少し間を開けようかと思いましたが思い切って連続でバブルバックでいきます。

ロレックス ビッグ バブルバック

ロレックスの片方向巻き上げ式の自動巻き腕時計をバブルバックといいます。
その中でもさらにデイト機構が付いて機械のサイズも大径化したモデル、
通称 ビッグバブル


裏蓋を開けた状態はおなじみの顔です。
比較対象がありませんが普通のバブルバックと比べると大きめです。

文字盤を外すと…

カレンダー付きです。

不具合 ヒゲ不良・異音・ローター止めネジ

時間が合わない・変な音がするといった症状でお預かりしました。

時間が合わない

歩度測定機にかけるとものすごい進みとでます。
これは何か不具合ありな感じの進み方です。

テンプのチラネジ落ちか!?重量違いか!?

と思いましたがテンプを外してみると変形してヒゲ同士が接触している模様。
テンプの重さが変わっていると大事になる所でした。(作業内容的に)
ヒゲ不良のみで助かりました。

異音がする

使っているとなにやら音がするけど大丈夫か?とのこと。

ローターを回して巻き上げてみるとコハゼのクリックする音とは違う種類の音がします。
音の間隔と感覚的にアレです、たぶん角穴の上のラチェットですね。

自動巻きのユニットを外してみるとラチェット部分の油がさっぱりなくなっています。
注油したところ改善しました。ここの油がなくなっているとこんな音がするのですね…知りませんでした。

この部分です。

ローター止めネジが ヘン

フタを開けてみて分かりましたがローター止めネジが変です。小さい。

きちんと止まってはいますがなんだかバランスが悪い美しくない…

このネジだけ部品で入手できないか探してみましたがダメでした。入手不可。

分解掃除

分解していきます。

文字盤裏にはカレンダー機構が追加されています。
早送り機能はありません。

自動巻き機構や輪列は前回記事にした600とほぼ同じです。

ショックバネはちょっと特徴的です。

シチズンでよく見るやつです。パラショック、シチズンで特許的なのを買い取ったんでしょうか?

ヒゲ修正などもしてありますので注油して組み上げます。

気になる所があと一つ…

ローター抑えネジ

これが、美しくない…

別作

美しくないので作ります。鉄から切り出して最後に青焼きして磨きます。

削りだしていきます。

ネジを切ります。

緩み止めネジの穴をあけます。
ドライバー溝は…もっと練習します。

青焼きして磨いていきます。


分解掃除 完了

以上で分解掃除完了です。

高精度が出ています。さすがクロノメーター。
巻き上げもばっちりです。

後期型でも70年くらいは経っている機械です。
それでもまだ実用現役レベルで動きます。
この頑丈さが名機といわれる由縁でしょう。

アンティークの常ですが水にはお気を付けください。

修理の費用

修理料金です。

アンティーク(現行以外)ロレックス 分解掃除 基本料金 ¥30,000+税
ヒゲ不良・ヒゲ修正(不良の程度による) ¥5,000+税
ローター止めネジ別作

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