スピードマスター プロフェッショナル その2

スピードマスタープロフェッショナル 組み立て編

スピードマスタープロフェッショナル 組み立て編です その1はこちら

ゼンマイ入れ

回転洗浄が終わりゼンマイを香箱に入れます
ゼンマイ入れ機を使います
ゼンマイを指で入れるくらいなら香箱を分解しない方がいいですね

くるくる巻いていきますがゼンマイを入れきったところでバチンッ!
嫌な音とともに手ごたえがスカスカに、ゼンマイ切れの感触です

ゼンマイの軸の部分で切れていました

全部組み終わってランニングテスト中に切れることを思えばセーフ、でしょうか
一番最深部の部品なのでゼンマイ交換はすべて分解する必要があります

ゼンマイ切れだけは読めません
見た目で明らかにおかしければわかります
でも見た感じ、何ともなくても突然切れます
当店で分解掃除後、一定期間以内にゼンマイが切れた場合は部品代のみで対応しています


ゼンマイ4つくらい入ってそうなパッケージの大きさですが一つしか入っていません

組み上げ 文字盤側

とりあえず香箱を組み終えたら文字盤側から組んでいきます

組み上げ 時計部分

時計部分まで組み終わりました

振り角の測定

この時点でひとまず振り角の測定が必要です

出車

よさそうなので出車を着けます
この部品一つで雰囲気ががらっと変わる気がします

組み上げ クロノグラフ

実は今回は“写真を根性で撮りまくる”というテーマで始めたのですがおかしいですね
クロノグラフの組み立て中の写真がありません、根性が足りなかったのでしょうか
組み始めるとなんだか楽しくなってきて写真そっちのけになってしまいます

歩度調整

一枚も写真を撮っていませんがポリッシュ、クリーニングしたケースに入れて歩度調整をします

防水検査

歩度調整もよければこの後とっても大事な防水検査です

どうしても防水性の低さがネックになるスピードマスターです

このモデルは確か5気圧です
いわゆる生活防水ですが耐磁板以上にあるとないとで大きな差が出る防水性です

クロノグラフはスタートストップを制御するボタンがあります
可動部が増えるので三針のシンプルなものと比べるとどうしても防水性は劣ります

この時計はそのあたりもよく考えて作ってあるので助かります
プッシュボタンも分解してパッキン交換注油してやれば腐蝕さえなければ防水性は何とかなります
オートマチックとなるとガラッと変わりましてそうもいかないので難しいですね

最後にブレスをつけてランニングテストをして完成です

・知名度の高さ
・(ほぼ確実に)廃盤になることはない
などの条件を満たす傑作時計といえるものの一つ、スピードマスタープロフェッショナルの分解掃除でした

自分の子供へと受け継いでいける時計、いいですね