patek philippe その③

パテックフィリップその③です
久しぶりの大長編になってしまいました

調速、時間調整にはいります

機械を組み終わりさあ調整、という時まで完全に忘れていました
調整方法は緩急針方式でもちらネジ式でもありません、こちらジャイロマックス

赤丸部分、テン輪に取り付けられたC型のこの部品を回すことでテンプ外端の重量バランスを変化させて遅れ進みを調整します

調整の向きが受けに刻印されています
切れている部分が軽いわけですので切り欠きを外に回してやれば重心は真ん中に来るのでテンプの速度が上がります
時計は進み方向に調整されます、切り欠きを中に向ければその逆ですね

これは身をもって体験できます(ケガに注意!)
広い場所でフィギュアスケートのように体をひねって回転ジャンプしてください
腕を体にぎゅっとしめて回った時、腕を広げて回った時で速度の違いを体感してください

これを調整するにはテンプを受けごと外す必要があります
つまりローター外さなきゃですね、忘れてしっかり組み込んでしまっています

ここから写真がないのですが手順としてはテンプ受け外す→受けを吊る→テンプを掴んで横からドライバー差し込んで回す
ヒゲ玉を回すのと同じ要領ですね
ジャイロマックス、稀にある固すぎて回らないとか緩すぎとかいう問題もなく無事調整できました

ケースは金無垢なので電解クリーニングを行います、それプラスケースを開け時についたと思われる傷を修正して修理完了です
オープナーでこじられてはいなかったので傷の被害は少なくて済みました、このくらいなら修正も楽ですね

久しぶりに大長編3部作となりました
高級時計の御三家 バセロン AP パテック
御三家の中でもパテックは頭一つ抜き出た感がありますね
こういう時計が似合う大人になりたい…

前の記事

patek philippe その②